無断転載禁止(1999年制作/2002年改訂

泉州とは、大阪府南部地域の旧称である。中国福建省にも泉州という地名はあるが「だんじり祭」は無さそうである・・・わっしょれ~!ほんまけ?

全国の皆さん!毎年9~10月は大阪の泉州地域では「だんじり祭」があります。見に来ちゃってや~「百聞は一見に如かず」やで~。

私は、泉州・岸和田市春木という地域に実家があり、遠~い昔の事ですが「だんじり祭」に参加をしていた事がございます。現役の頃は、汗みどろでだんじりを曳くのはもちろん、自町の法被や提灯の図案まで手掛けた事を、今は懐かしく思われます。私は幼少期に「股関節を患った」事があり、その要因で歳をとるにつれ、足に激痛を憶えるようになりました。逆療法ですが筋肉で補おうと、空手、ボクシングを試みた事もございます。しかし、足の痛みは一向に消えませんでした。「だんじり祭」は、2日間で何十キロを走るという過酷なものです。この祭に自分の足が到底ついて行けず、かと言って「形だけの半端な祭参加者」では、自分自身がどうしても納得できず、苦慮の後、長い間お世話になった実家がある町の若頭会を、脱会致しました。

だんじり祭・曳出し之図

ただし、今でも「だんじり祭」が大好きで、ファンであることには変わりありません。生まれ育った「泉州」と「だんじり祭」が好きなだけの、何のとりえも無い中年親父の雑文を、お時間が許しますれば御笑読ください。おもろないかも知れへんで~。全国の皆さんの内、たった一人だけでも「泉州」や「泉州のだんじり祭」に、感心を持っていただければ幸いです。

※独断と偏見と自己満足で書下ろしていますので、乱文の点お詫び致します。

※泉州弁がごちゃまぜになっていますので、意味不明な点も許しちゃってな~。

※ついでに、だんじりイラストも、見ちゃってな~。

ボトルだんじり

今や全国的に有名な「だんじり祭」

岸和田を中心とした泉州地域は、年から年中「祭」と言っても過言ではない。男が数人集まれば、必ずと言っていい程「祭」の話がでる。他の地域の人から見ると不思議に思えることも、多々あるはずだ。あの超芸術作品ともいえる「だんじり」を、1000人近い人間(少ない町でも200人以上)で、豪快に走らせるのだ。更には、豪快に走らせながら方向転換(やり廻し)させるのだ。時には勢い余って、ぶつけたり曳き倒したりもする。

ぶつけたり曳き倒したりすることが本意では無いが、全くもって不合理のような気もする(あほとちゃうか~?と大阪市内の友人が言う)異なる視点から見れば、どうも理解に苦しむ(私も参加していました・・へっへっへ)しかし、それが泉州人の気質だと思う今日この頃・・まさに質実剛健!・・それほど熱き心があるのです。

だんじり祭・塗もの調

芸術は爆発だ!!

各町単位、また区域単位で、ほとんど「だんじり」がある。新調の場合は装飾品まで入れると1億円を遥かに超える。曵き出しから一番はじめに行う「やり廻し」で、電柱にぶつけたり、民家に突っ込んだり、倒れたり・・・

祭が始まって10分もしないうちに、だんじり本体がガタガタになることもありうる。それを一年かけて修理して、また壊す。大金をかけて新しく作って、またまた壊す。永遠これの繰り返し・・勿体ないやらあほらしいやら、やはり理解しがたい点があるなあ~~~?

とは言うものの「だんじり」を、大名行列みたいにゆっくり動かしていたんでは、なんの意味も無いしなあ~。そうかっ!「だんじり祭」そのものが芸術なんや!岡本太郎も言うちゃったで~~「芸術は爆発だ!」と・・まさに勇壮無比!・・熱血漢の集合体です。

だんじりフェスティバル

陰で支えてくれる人の努力が、祭を成り立たせている。

古より、五穀豊穣を祈願して行われるようになった「だんじり祭」・・今では町の繁栄に貢献し、親戚、家族、御近所さんとの絆が、さらに深まる素晴しい祭と言えよう。祭全体の運営管理をする各町、各団体の役員さん、一年を通しての様々な活動、大変御苦労様です。婦人会の炊き出しや、近所のおっちゃんおばちゃんの御好意による掃除、交通整理をしてくれる連合の役員の方々、子供会役員さん、機動隊のおまわりさん、その他、陰で支えてくれる人の努力が、祭を成り立たせているとも言える。

だんじり祭・やりまわしの図

必ず「やみつき」になる豪快なる「やり廻し」!

重量約4トン(人や装飾品を入れると6~7トン)の、だんじりを豪快に走らせながら方向転換させる「やり廻し」は、なんといっても圧巻である。一度見た人は、必ず「やみつき」になる!芸能人でも毎年見に来てる人もおるやろ?全員の息が合って上手くいった時には、ギャラリーから拍手喝采!さぶいぼ立つで~。

スピードのってて、きれいに廻った時には「今のん良かったの~!抜群やったの~!」と素直に喜びます。ダメだった時には「おのれら前の曳きが弱すぎるんじゃい!」とか「なにぬかしやがってんじゃ!後ろとるのが遅すぎるんじゃい!」とか「なに~い、もういっぺんぬかしてみい!いてまうぞ~」とか、トラブルになることだってあります。・・それほど、皆真剣なのです。

彫物1
注)泉州という町名のだんじりはありません。私が創った架空の物です。

この世の物とは思えない、究極の芸術品!

夜は夜で抜群です。提灯綺麗やし、よちよち歩きの子供さんまで楽しく曳いています。お年寄りの方は「夜の方がええな~」と言う人もおります。女性の方もそうです。夜はゆっくりやからギャラリーの人も、彫り物が近くで見れるんちゃうかなあ?提灯に照らされ、陰と陽のコントラストのある彫り物は、まさにこの世の物とは思えない究極の芸術品!さらに聞こえる鳴り物の力強くかつ優雅なハーモニーは、比類無き絶品!ちょっとオーバーかな?

灯入曳行と日本髪

ソーリャ!ソーリャ!

かけ声は、今は「ソーリャ!ソーリャ!」が一般的ですが、私が子供の頃は「エンヤー!」や「ヨイヤサー!」もしくは「チョイヤサー!」と言っていたことも覚えております。

各地域、団体によってもかけ声が違うと思います。後梃子だけで「オイサー!オイサー!」と、かけ声をかけているところもあるみたいです。夜になれば、伊勢音頭や江州音頭を唄う渋~い声のおっちゃんがおったことも記憶にあります。なんで伊勢音頭や江州音頭なんやろ?未だにわかれへん・・?

泉州やから泉州音頭のはずやけど、泉州音頭なるものは聞いたことが無い。だんじり祭りが音頭みたいなもんやから、泉州音頭は流行れへんかったんかなあ~?

そして私達子供や青年団は、酔った勢いであの有名な放送禁止数え唄「ひとつ出たほいのよさほいのほい~」さらにもっと低レベルの数え唄や、そのものズバリの下品な唄「うちのニワトリすけべえ~で~たまごうむとき○○○○コ~!」を唄った記憶もございます。

今はあまり唄われていない様です。(それのほうが良い・・)

豪快な祭!安全で楽しい祭!

「ケガ人出れへように気合い入れて行かなあかんぞ!」を合い言葉に各だんじりを走らせる。人身事故だけは、絶対に避けなあかん!安全曳行が基本中の基本であることは言うまでも無い。今後も「豪快ではあるが、それと共に安全で楽しい祭」を、アピールせえなあかん!と思います。

ギャラリーの中にはアクシデントを期待されている人もいるみたいやけど、当人及び身内や知人がケガしたら、どんな気持ちになるかわかるはず・・

彫物2

あれはある年の9月14日、雨天で足元が悪くパレードの紙吹雪がさらに路面を悪条件とし、おまけに全員がパレードに酔いしれ、浮かれたまま勢い良くやり廻しを敢行・・次の瞬間「バシャン!」という何とも言えない嫌な音と共に、だんじりが横転!ギャラリーからも悲鳴!

さほど大きくはない小振りのだんじりだったのですが、その時はゴジラが倒れたような印象があったことを覚えています。

そうなんです。「誰がどうしたから倒れた」と言うのではなく、だんじりは、もともと倒れやすい物なのです。後梃子の役持ちだった私は、一瞬驚きで目の前が真っ暗になり、タイムスリップでもしたような感覚がありました。ふと我に帰り、皆と一緒に無我夢中でだんじりを起こしたのですが、誰か「びしゃげているのでは?」という不安感、恐怖感があった事を覚えています。

幸い下敷きになっている人はいませんでしたが、ケガ人が2~3名ほど出ました。今は元気に祭に参加されていますので安堵致しております。その後の祭でも、自分が怖い目にあった事もあります。時折、その交差点を自動車で通る時にも、いや~な気分になることがあります。なんといっても安全曳行が一番大切なことと思います。豪快かつ安全で楽しい「だんじり祭」が実施される事を、お祈り致します!

HORIMON・ホリエモンとちゃうで~

泉州のみなさん、他町の「だんじり」や「やり廻し」の批判・中傷は、慎みましょう!特に飲み屋等ではト ラブルのもとです。前梃子・大工方をはじめとして、参加者全員の方々の安全をいつもお祈りしております。ギャラリーの皆さん、近くで見たい気持ちはよくわかりますが、極力安全な場所で見てください。あとから来て、一番手前で見物しようなんて思わんといてや!毎年トラブっとるで~。「曳き手」も「ギャラリー」も安全第一が基本だと思います。

続く・・またいつか続かせます・・すみません・・とほほほほっ・・ああ情けない!

赤富士とだんじり


※当サイトに掲載されている画像の無断使用、複製転載等の一切の行為を禁じます。
Illustrations & Portrait for books, for TV programs, for Advertisements